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時には「何もしない」ことが最善の選択肢になることもある
司法書士事務所へご相談に来る方は、それぞれお悩みを抱えており、それについて専門的なアドバイスを求めたり、解決するための手続きを依頼するものです。
最近は、一般の方でもネットなどで法律情報を収集しやすくなりましたので、以前よりも、初回相談の段階で具体的に「〇〇」の手続きをしたい」とおっしゃる方が増えてきました。
最近よくあるのが、「生前贈与をしたい」というご相談。
「元気なうちに親から子に名義を変えておきたい」というもの。
ちょっとネットで調べれば、贈与の登記に必要な書類、税の制度など情報はいくらでもでてきます。
法務局に相談に行けば贈与の登記に必要な書類、申請書のひな型は案内してくれるでしょう。
最近では生成AIを利用すれば、「贈与」の登記申請、必要に応じた税の申告手続きは、専門家である司法書士や税理士に依頼せずともできるかもしれません。
ですが、最初「生前贈与をしたい」とご相談に来られた相談者の話を実際にじっくり聞いてみると、実は、「贈与よりは相続(遺言)で進めた方がいいケース」というのが結構あります。
贈与と相続・遺言の手続きやコストの比較検討をした上で「うちの場合は今急いで名義を変えなくてもよさそうだわ!」と安心して帰っていく人もいます。
依頼者から言われたことをそのままするだけ(逆に「言われないから提案しない」)なら、今後、「士業」というものはどんどんいらなくなるかもしれません。
ですが、相談者の「〇〇したい」という言葉の裏の真の依頼をくみ取り、選択肢を示し、時に本人の希望とは別の選択肢をすすめ、時に「今はまだ何もしないほうがいいですよ」と今手続きをすることをすすめない。
そこに士業としての矜持があります。
これも生身の士業に相談することのメリットの一つかと思います。
