住宅ローンの抹消をする際の注意事項 - あいはた司法書士事務所

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住宅ローンの抹消をする際の注意事項

住宅ローンを払い終わったら、すぐに抵当権の抹消登記をする必要があります。
 
ローンを完済し、実体上の権利はなくなっていても、抹消登記を申請しない限り、形式的には担保がついたままとみられ、その後の手続きに支障がでてきます。
 
特に不動産の売却を考えている場合は抹消登記をしないかぎり売ることは難しいでしょう。
 
銀行から書類をもらったら、なるべく早いうちに司法書士に依頼して抹消手続きをすることをおすすめします。
 
なお、抵当権の抹消は比較的単純なものなので、時間にゆとりがある方は、司法書士に依頼せず、自分で法務局に行って手続きをするという人もいると思います。
 
ただ、単純とはいっても色々と落とし穴はあるもので、主な注意点をまとめておきますので、ご参考ください。
 
1.所有者の住所や氏名が変わっているときは先に変更登記が必要。
 
  担保設定をした当時と現在で、所有者の住所や氏名が変わっていることはあります。
  ①結婚や離婚などで姓が変わった場合
  ②引っ越しをして住所が変わっている場合
  ③住居表示の実施により住所の表記が変更している場合
 
  それぞれ、変更したことを証明するための戸籍や住民票などを取る必要があります。
  住所を転々としている場合はちょっとやっかいで、現在までのつながりを確認する必要があるため、戸籍の附票をとることもあります。
 
  特に、③の住居表示の実施による変更は、一般的にわかりにくいものです。
  住居表示が実施されると、場所は変わっていないのに、
 
  「大分市大字●●123番地」の住所が「大分市〇〇町1丁目2番3号」のように表記が変わります。
 
  「自分で住所を変えたわけでもなく、行政の都合で勝手に呼び名が変わっているのに、なんで登記なんてしないといけないんだ」という声もありますが、
  
  まあ、やむを得ないところです。
 
  ただ、この場合は「住居表示実施の証明書」を市役所で取得すれば、
 
  通常、住所変更登記の申請には不動産1個について1000円の登録免許税がかかるところ、非課税にすることができます。
 
2.所有者が死亡し、相続が発生している場合は、先に相続登記が必要。
 
  親の土地の上に子が家を建て、住宅ローンを組むというケースがあります。
 
  親の死亡後その相続登記をしないままでは、亡親名義の土地については抹消登記を申請できません。
 
  遺言がない場合、他の相続人と遺産分割協議をし、名義を相続人に変更してから申請する必要があります。
  
  よく勘違いしやすいところですが、ローンの抹消登記の申請人は、あくまでその不動産の現在の所有者であり、借主(債務者)ではありません。
 
3.銀行からもらった書類をなくしてしまった場合はどうすればいいのか?
  
  ローンを払い終わったら、銀行から抵当権抹消のために以下の書類をもらいます。
  ①解除証書(または放棄証書)
  ②委任状
  ③登記識別情報または設定した当時の契約書
 
  「そのうち手続きをしよう」とおいているうちに忘れてしまい、いざやろうとしたら書類をなくしてしまっている・・・
 
  では、その場合はどうするか。
 
  その時は銀行の取扱い窓口に抵当権抹消書類の「再発行」の依頼をする必要があります。
 
  なお、再発行の手続きには時間がかかったり、手数料がかかることもありますので、なるべく時間に余裕をもって手続きをしましょう。
 
いかがでしょうか。
 
抵当権の抹消といっても、それなりに注意することはあり、法務局に一度相談にいっただけでは手続きが終わらず、意外と時間を食ってしまうこともあります。
 
昔から「餅は餅屋」といいます。
 
司法書士は登記手続きの専門家です。
 
司法書士に依頼すれば、すみやかな抹消登記、必要に応じて住所変更や相続登記、さらに不動産についての相談(生前贈与、遺言、相続など)もできますので、
 
ぜひ司法書士へご相談ください。
 
お知り合いに司法書士がいない場合でも、銀行の担当者が司法書士を紹介してくれることもありますので、聞いてみてはいかがでしょうか。