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1人で起業するなら、株式会社と合同会社どっちがいい?
会社設立の相談をいただく際、「とりあえず自分一人で始める」という方も多くいます。 
その際、会社の形態として、「株式会社」を選択する方が多いのですが、最近は徐々に「合同会社」を選択する人も増えてきました。
当事務所としては、以下のようなお考えの方に対しては、「合同会社」を選択肢のひとつとして紹介しています。
①設立費用をできるかぎり抑えたい
②法人の運営管理のコストもなるべく抑えたい
③将来的に事業拡大路線ではなく、一人または少人数で経営していくつもり
以下、株式会社と比較しながら合同会社について簡単に解説していますので、これから起業を考えている方はぜひご参考ください。
1.「合同会社」とは?
合同会社とは、平成18年5月以降につくることができるようになった会社形態のひとつです
当初は認知度の低さから設立件数は低調でしたが、このところ年々増加しており、
令和1年には年間3万0566件の設立登記が申請されています(「法務省登記統計」より)
2.株式会社と比べた場合のメリット
 合同会社のメリットは主に以下のとおりです
 ①設立費用が安い
 ②維持管理コストが安い
 ③意思決定がスピーディ
 ④会社の実情に応じて自由に定款を作成できる
3.株式会社と合同会社の比較(まとめ)
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 株式会社 
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 合同会社 
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 備考 
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 定款の作成 
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 必要 
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 必要 
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 定款を紙で作成すると収入印紙を4万円分貼布する必要があります。 
司法書士など専門家に電子定款の作成を依頼すると、収入印紙は不要です。 
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 公証役場による定款の認証 
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 必要 
手数料は約5万円 
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 不要 
手数料なし 
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 設立登記の登録免許税 
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 15万円 
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 6万円 
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 役員の任期 
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 任期あり 
原則2年(再任可) 
非公開会社は10年まで伸長可 
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 任期なし 
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 任期があると、同じ人が再任(重任)する場合でも登記が必要であり、その都度登記費用がかかる。 
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 代表者の呼び名 
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代表取締役 | 代表社員 | 
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 決算公告義務 
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 あり 
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 なし 
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 所有と経営 
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 分離 
出資者(株主)と役員(取締役、監査役など)は別 
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 一致 
出資者=役員(業務執行社員) 
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 社会保険の加入 
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 義務 
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 義務 
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 社会的信用度 
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 高い? 
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 低い? 
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 旧商法時代は株式会社の設立には資本金が1000万円以上必要であり、ある程度社会的な信用度の担保がされていた。 
平成18年5月の会社法施行後は、株式会社の最低資本金制度は撤廃されたので、資本金はいくらでも株式会社を設立可能になった。 
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4.おわりに
以上簡単ではありますが株式会社と比較した場合の合同会社のメリットをご紹介しました。
ただ、メリットがあれば当然デメリットもあります。
「費用が安いから合同会社」という安易な決め方をすると後々後悔する方もいます。
また、「専門家費用がもったいないから」とネットで拾った定款を意味も分からず適当に利用すると、後々痛い目をみることも・・・
司法書士は、依頼者の実情に合った法人を選択できるようアドバイスをしますので、まずはお気軽にご相談ください。
        